異字同訓

このコンテンツは、間違いやすい「異字同訓」の使い分けの用例を示したものです。
※文化庁の『「異字同訓」の漢字の使い分け例(報告)』を参考にしています。

や(屋家)

*】人が生活する住まい。
貸家を探す。狭いながらも楽しい我が家。借家住まいをする。家主。家賃。空き家。
*】建物。職業。屋号。ある性質を持つ人。
長屋に住む。小屋。屋敷。酒屋。八百屋。三河屋。音羽屋。頑張り屋。照れ屋。
  • *「屋」も「家」もどちらも「建物」という意では共通するが、「屋」は、主として、外側から捉えた建物の形状に視点を置いて用い、「家」は、主として、建物を内側から捉えたときの生活空間に視点を置いて用いる。

やさしい(優易)

しい】思いやりがある。穏やかである。上品で美しい。
優しい言葉を掛ける。誰にも優しく接する。気立ての優しい少年。物腰が優しい。
しい】(⇔難しい)。たやすい。分かりやすい。
易しい問題が多い。誰にでもできる易しい仕事。易しく説明する。易しい読み物。

やぶれる(破敗)

れる】負ける。
大会の初戦で敗れる。勝負に敗れる。人生に敗れる。選挙に敗れる。敗れ去る。
れる】引き裂くなどして壊れる。損なわれる。
障子が破れる。破れた靴下。均衡が破れる。静寂が破れる。

やわらかい(柔軟)

らかい】ふんわりしている。しなやかである。穏やかである。
柔らかい毛布。頭が柔らかい。
らかい】(⇔硬い)。手応えや歯応えがない。緊張や硬さがない。
軟らかい肉。地盤が軟らかい。軟らかい表現。

やわらかだ(柔軟)

らかだ】ふんわりしている。しなやかである。穏やかである。
身のこなしが柔らかだ。柔らかな物腰の人物。物柔らかな態度。
らかだ】(⇔硬い)。手応えや歯応えがない。緊張や硬さがない。
軟らかな土。軟らかく煮た大根。

よ(世代)

】その時の世の中。
明治の世*。世の中が騒然とする。この世のものとは思えない美しさ。世渡り。世が世ならば。
】ある人や同じ系統の人が国を治めている期間。
明治の代*。260年続いた徳川の代。武家の代。
  • *「明治のよ」については、「明治時代の世の中」という意では「明治の世」、「明治天皇の治世下にある」という意では「明治の代」と使い分ける。

よい(良善)

い】道徳的に望ましい。
善い行い。世の中のために善いことをする。人に親切にするのは善いことである。
い】優れている。好ましい。
品質が良い。成績が良い。手際が良い。発音が良い。今のは良い質問だ。感じが良い。気立てが良い。仲間受けが良い。良い習慣を身に付ける。

よむ(読詠)

む】詩歌を作る。
和歌や俳句を詠む。一首詠む。歌に詠まれた名所。題に合わせて詠む。
む】声に出して言う。内容を理解する。推測する。
大きな声で読む。子供に読んで聞かせる。秒読み。この本は小学生が読むには難しい。人の心を読む。手の内を読む。読みが浅い。読みが外れる。